建て替えによる退去の退去費用|借主の権利と補償
建て替え退去の基本ルール
- 貸主の都合による退去:借主に原状回復義務はない(通常の退去とは根本的に異なる)
- 正当事由が必要:貸主が借主に退去を求めるには借地借家法28条の「正当事由」が必要。建て替えだけでは正当事由として不十分な場合がある
- 立退料の支払いが一般的:正当事由を補完するために立退料を支払うのが通例
- 借主は退去を拒否できる:正当事由がなければ、借主は退去に応じる義務がない
立退料の内容と相場
立退料は「退去による借主の損害を補填するお金」です。
| 立退料の内訳 | 金額の目安 |
|---|---|
| 引っ越し費用 | 単身5〜10万円、ファミリー15〜30万円 |
| 新居の敷金・礼金・仲介手数料 | 家賃の3〜5ヶ月分 |
| 家賃差額の補償 | 新居の家賃が高い場合、差額の6〜24ヶ月分 |
| 借家権の補償 | 物件の評価額の一定割合 |
住居の場合、立退料の相場は家賃の6〜12ヶ月分が目安。ただし金額は交渉次第で大きく変わります。
借主の権利(すぐに出る義務はない)
- 退去を急がない:「今すぐ出て」と言われても法的には応じる義務はない
- 正当事由を確認:「老朽化」「建て替え」だけでは正当事由として認められないケースがある
- 立退料を受け取る権利:引っ越し費用、新居の初期費用、家賃差額の補償等
- 交渉する時間がある:通常6ヶ月〜1年前に通知される。焦らず交渉を
退去費用を請求された場合の対処
建て替えによる退去で原状回復費用を請求するのは不当です。
対処法:「貸主の事由による退去のため、原状回復義務は生じないと認識しております。借地借家法28条に基づく正当事由と立退料についてご説明をお願いいたします」
交渉が難しい場合は弁護士に相談を。立退料は数十万〜数百万円になるため、弁護士費用の元が十分に取れます。法テラス(0570-078374)で無料相談可能です。
立退料の交渉ポイント
- 「正当事由がない」と主張:建て替えだけでは正当事由として不十分な場合がある→立退料の増額につながる
- 新居の条件を調査:同等の物件の家賃相場を調べ、差額を立退料に反映
- 書面でやり取り:口頭の約束は後日否定されるリスクあり。メールや書面で記録を残す
- 弁護士に相談:立退料の交渉は専門知識が必要。弁護士費用を差し引いても手取りが増えるケースが多い
筆者の実例
筆者の事例は自己都合退去でしたが、建て替え退去は全く状況が異なります。建て替え退去では退去費用を「払う」のではなく立退料を「もらう」側。弁護士に相談して適正な立退料を受け取ってください。
よくある質問
Q. 建て替えで退去を求められた。退去費用は払う?
原則として払いません。貸主の都合による退去であり、借主に原状回復義務は生じません。逆に立退料を受け取る権利があります。
Q. 「6ヶ月以内に退去してください」と通知が来た
借地借家法26条では解約申入れは6ヶ月前までとされていますが、正当事由がなければ退去に応じる義務はありません。焦らず弁護士に相談してください。
Q. 立退料は交渉で増やせる?
はい。立退料の金額に法的な上限はありません。引っ越し費用+新居の初期費用+家賃差額+精神的負担等を根拠に交渉可能です。弁護士に依頼すると増額できるケースが多いです。
Q. 再開発による立退きの場合は?
再開発の場合は都市再開発法に基づく権利変換制度があり、新しいビルへの入居権を得られる場合があります。弁護士や自治体の再開発窓口に相談してください。
まとめ
建て替えによる退去は貸主の都合。借主は退去費用を負担せず、立退料(家賃6〜12ヶ月分が目安)を受け取る権利があります。退去を急がず、弁護士に相談して適正な補償を受けてください。
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📊 よく読まれている記事
※国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」および改正民法621条に基づく情報です。個別のケースは弁護士等にご相談ください。
参考:国土交通省ガイドライン|無料相談:消費者ホットライン 188|不動産適正取引推進機構