敷金なし(敷金礼金なし)物件の退去費用相場|退去時にいくらかかる?
この記事の目次
敷金なし物件の退去費用相場【間取り別】
退去費用の金額は「敷金の有無」ではなく「物件の広さ」「居住年数」「部屋の使い方」「特約の内容」で決まります。敷金なし物件だから退去費用が高くなるということはありません。
| 間取り | 退去費用の相場 | うちクリーニング代 |
|---|---|---|
| 1R・1K | 2〜5万円 | 2〜3.5万円 |
| 1DK・1LDK | 3〜7万円 | 3〜4.5万円 |
| 2DK・2LDK | 5〜8万円 | 3.5〜6万円 |
| 3DK・3LDK以上 | 7〜12万円 | 5〜8万円 |
この相場を大きく超える請求が来た場合は、払わなくていいものが含まれている可能性があります。
居住年数別の退去費用相場
居住年数が長いほど、経年劣化として貸主負担になる範囲が広がり、借主の退去費用は下がる傾向があります。
| 居住年数 | 退去費用の目安 | 壁紙(クロス)の残存価値 |
|---|---|---|
| 〜2年 | 4〜5万円 | 約67%(新品価格の2/3) |
| 3〜4年 | 5〜7万円 | 約50〜33% |
| 5〜6年 | 3〜7万円 | 約17%〜ほぼ1円 |
| 7年以上 | 3〜5万円 | 1円(耐用年数超え) |
| 10年以上 | 3〜5万円 | 1円。設備も大幅減価 |
壁紙(クロス)の耐用年数は6年です。6年以上住んでいれば残存価値はほぼ1円になるため、たとえ壁紙に傷や汚れがあっても、張替え費用のほぼ全額が貸主負担になります。
退去費用の内訳と修繕費用の目安
退去費用は「原状回復費用」と「ハウスクリーニング費用」の2つで構成されます。それぞれの修繕箇所ごとの費用目安は以下の通りです。
| 修繕箇所 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 壁紙(クロス)張替え | 1,000〜1,500円/㎡ | 6年で残存価値1円。部分張替えが原則 |
| フローリング補修 | 1〜5万円/箇所 | 全面張替えは原則不要。部分補修が基本 |
| クッションフロア | 1,000〜6,000円/㎡ | 耐用年数6年 |
| ハウスクリーニング | 1.5〜8万円 | 特約がある場合は借主負担 |
| エアコン清掃 | 1〜1.5万円 | 設備維持のため原則貸主負担 |
| 鍵交換 | 1〜2万円 | セキュリティ維持のため原則貸主負担 |
見積書の各項目がこの目安を大きく超えている場合は、過大請求の可能性があります。
敷金なし物件で退去費用が高くなりやすい3つの理由
理由①:全額が後払いのため「予想外の出費」になりやすい
敷金がある場合は入居時に支払い済みのため、退去時は「敷金から差し引かれて残額が返金される」形です。一方、敷金なし物件は退去時に初めてまとまった金額が請求されるため、「こんなにかかるの?」と感じやすいのです。金額の基準は同じでも、心理的な負担が大きくなります。
理由②:「敷金なし」の代わりの特約がある
敷金なし物件の中には、退去時のクリーニング費用や短期解約違約金(家賃1ヶ月分程度)が設定されているケースがあります。「敷金なし」で初期費用を抑えた分、退去時の特約で回収する仕組みの物件です。契約書の特約条項を必ず確認してください。
理由③:敷金という「緩衝材」がない
敷金があれば「敷金の範囲内で精算する」という暗黙の目安がありますが、敷金なしの場合はこの目安がなく、管理会社が相場を超えた金額を請求しやすい環境になります。ただし、ガイドラインの基準は敷金の有無に関係なく適用されます。
「敷金なしで退去費用20万」は高い?
1R・1Kの敷金なし物件で退去費用20万円は、相場(2〜5万円)の4〜10倍であり明らかに高額です。見積書の内容を精査し、以下の項目が含まれていないか確認してください。
- クロス全面張替え — 6年以上住んでいれば残存価値1円。部分補修が原則
- フローリング全面張替え — 部分補修で十分なケースがほとんど
- 鍵交換 — セキュリティ維持は貸主負担
- エアコン洗浄 — 設備維持は貸主負担
- 諸経費・管理費 — リフォーム工事の付帯費用は貸主負担
これらが含まれていれば、ガイドラインに基づいて減額交渉ができます。敷金なしで退去費用20万は高い?でも詳しく解説しています。
敷金あり物件との比較
「敷金なし物件は退去時に損する」と思われがちですが、トータルコストは同じです。以下の例で比較します。
| 敷金あり(家賃1ヶ月分) | 敷金なし | |
|---|---|---|
| 入居時に払う敷金 | 7万円 | 0円 |
| 退去費用(相場) | 4万円 | 4万円 |
| 退去時の実際の支払い | 0円(敷金から相殺、3万円返金) | 4万円(全額を後払い) |
| トータル負担 | 4万円 | 4万円 |
違うのは「先に払うか後で払うか」だけです。ただし、敷金なし物件は退去時に一括請求されるため、退去費用の相場と仕組みを入居時点で理解しておくことが重要です。
退去費用を抑える方法【入居時・入居中・退去時】
入居時にやること
- 部屋全体の写真を日付入りで撮影する(壁・床・天井・設備・水回り全箇所)
- 入居時チェックシートに既存の傷・汚れを記録する
- 契約書の特約条項を確認し、退去時の費用負担を把握する
- 火災保険の内容を確認する(借家人賠償責任特約の有無)
入居中にやること
- 床に傷防止のフェルトや養生シートを敷く
- 水回り(浴室・キッチン・トイレ)をこまめに掃除し、カビや油汚れの蓄積を防ぐ
- 換気を心がけ、結露によるカビを防止する
- 設備の不具合を発見したら、放置せず管理会社に報告する
退去時にやること
- 退去前に掃除を徹底する(特にキッチン油汚れ、浴室カビ、トイレ水垢)
- 退去立会い時にその場でサインしない
- 見積書が届いたらガイドラインと照合する
- 相場の2倍以上なら減額交渉する
退去費用の支払い方法
敷金なし物件の場合、退去費用は全額を退去後に支払います。支払い方法は銀行振込が基本です。退去後2週間〜1ヶ月で精算書が届き、支払期限は通常30日以内です。
一括で払えない場合は、管理会社に分割払いを交渉できます。退去費用の分割払いで交渉方法を解説しています。また、火災保険の「借家人賠償責任特約」で過失による損害の修繕費が補填されるケースもあるため、保険証券も確認してください。
筆者の実例
筆者も敷金なし物件でした。退去費用710,300円を全額後払いで請求されましたが、ガイドラインに基づいて交渉し148,750円に減額。約79%の減額です。敷金がないから不利ということはありません。ガイドラインの基準は敷金の有無に関係なく同じです。根拠を示せば、敷金なし物件でも適正額に戻せます。
左:初回請求書(¥710,300)→ 右:最終見積書(¥148,750)。敷金なし物件でも79%減額。
よくある質問
Q. 敷金なしだと退去費用は高くなる?
いいえ。退去費用の相場は敷金の有無に関係しません。高くなるのは「敷金がないから」ではなく「見積書に払わなくていいものが含まれているから」です。
Q. 敷金なしで退去費用0円にできる?
特約がなく、借主の故意・過失による損傷もなければ理論上は0円です。ただし、ほとんどの物件にハウスクリーニング特約があるため、実際には2〜5万円のクリーニング代は発生します。
Q. 短期解約違約金とは?
敷金なし物件に多い特約で、1〜2年以内に退去すると家賃1ヶ月分程度の違約金が発生します。退去費用とは別の費用です。契約書に記載がある場合は支払い義務があるため、入居時に確認してください。
Q. 敷金なし物件と敷金あり物件、どちらが得?
トータルコストは同じです。敷金あり物件は入居時に多く払い退去時に返金される。敷金なし物件は入居時に安く退去時に全額払う。「先に払うか後で払うか」の違いです。
Q. 10年以上住んだら退去費用はほぼ0円?
クロスや設備の耐用年数を大幅に超えるため、経年劣化分の負担はほぼゼロになります。ただし、ハウスクリーニング特約があれば2〜5万円、借主の故意・過失による損傷があればその分は請求されます。
まとめ
敷金なし物件の退去費用相場は敷金あり物件と同じです。1R・1Kなら2〜5万円、2LDKなら5〜8万円が目安。居住年数が長いほど経年劣化分は貸主負担になり、費用は下がります。相場の2倍以上の請求が来たら、見積書をガイドラインと照合し、「払わなくていいもの」が含まれていないか確認してください。
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筆者の実例
交渉終盤に「ドアの修繕費を追加請求したい」→5つの根拠を並べた1通で撤回。
実際の相談事例
「ペットで100万近い請求」。ペットでも減価償却は適用される。
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