退去費用を払った後に追加請求が来た場合の対処法
追加請求に応じる義務はあるか
原則:合意後の追加請求に応じる義務はない。退去精算は見積書の金額で合意した時点で完了です。合意後の追加請求は、新たな合意がなければ支払い義務は発生しません。
例外:以下のケースでは追加請求が認められる可能性があります。
- 退去立会い時に借主が故意に損傷を隠していた(家具で覆っていた等)
- 工事開始後に床下の水漏れ被害など、立会いでは確認不可能な損傷が発見された
- 精算書に「追加請求の可能性あり」と明記されており、借主が同意していた
なお、民法600条では貸主は物件返還後1年以内に損害賠償を請求すべきとされています。1年以上経過した追加請求は「遅すぎる」と主張できます。
追加請求への対処法 — 5つの防御策
①「なぜ当初の見積書に含まれていなかったのか」の根拠を確認する。メールで「追加請求の具体的な理由と、退去立会い時に確認できなかった事情をお示しください」と依頼。
②追加項目がガイドラインに沿っているか確認する。払わなくていいものに該当しないか照合。通常損耗や経年劣化は追加であっても貸主負担。
③「当初の精算で合意済み」と主張する。「お見積書の金額でお支払いを完了しており、当初の精算で合意済みと認識しております」とメールで明確に伝える。
④入居時の写真や退去立会い記録と照合する。「入居時からあった傷」であれば追加請求の根拠が崩れる。
⑤消費者センター(188)に相談する。合意後の追加請求は消費者トラブルとして相談可能。
追加請求を防ぐための事前対策
- 退去立会い時に部屋全体の写真を撮っておく(立会い完了の証拠)
- 立会い時に「これで全ての損傷箇所を確認しましたか?」と口頭で確認する
- 精算書に「追加請求なし」の文言があるか確認する
- 合意した金額をメールで確認し記録を残す
筆者の実例
筆者も交渉中に後出しの追加請求(ドアの修繕)を受けました。「退去立会い時に計上されていない項目」「経年劣化」「見積書の合意済み金額」「入居時の状態」「根拠資料の提示要求」の5つの根拠をメール1通で示し、撤回させました。後出し請求には毅然と対応してください。
よくある質問
Q. 追加請求を無視しても大丈夫?
無視ではなく、根拠を示して拒否してください。「当初のお見積書で精算は完了しております。追加のご請求の根拠をお示しください」とメールで。
Q. 退去から半年後に追加請求が来た
民法600条では1年以内の請求が望ましいとされています。半年は期間内ですが、合意後の追加請求であれば「精算完了済み」と主張できます。1年以上経過していれば「遅すぎる」と主張する根拠が強まります。
Q. サインした精算書に「追加請求あり」と書いてあった
サイン時に認識していた場合は追加請求の根拠になり得ます。ただし、追加の項目がガイドラインに沿っているかは別問題です。追加項目でも通常損耗なら貸主負担です。
まとめ
退去費用を払った後の追加請求に無条件で応じる義務はありません。「合意済み」「立会い時に未計上」「根拠の提示要求」で対処してください。追加項目もガイドラインの基準で判断します。
💰 退去費用シミュレーター
筆者の実例
交渉終盤に「ドアの修繕費を追加請求したい」→5つの根拠を並べた1通で撤回。
実際の相談事例
「弁護士費用で赤字になりかねない」。退去費用の交渉で弁護士のコスパが合わないケースは多い。
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