退去費用を払わないとどうなる?督促→保証会社→裁判の流れ
この記事の目次
退去費用を払わなかった場合の流れ
| 段階 | 時期(目安) | 何が起きるか |
|---|---|---|
| ①督促 | 支払期限後1〜2週間 | 管理会社から電話・メール・ハガキで督促 |
| ②再督促 | 1〜2ヶ月後 | 内容証明郵便による正式な督促 |
| ③連帯保証人への請求 | 1〜3ヶ月後 | 連帯保証人に支払い義務が移る |
| ④代位弁済 | 2〜3ヶ月後 | 保証会社が管理会社に立替払い |
| ⑤保証会社からの請求 | 代位弁済後 | 保証会社があなたに全額+遅延損害金を請求 |
| ⑥信用情報への記録 | 長期延滞時 | 信用情報機関に事故情報が記録される |
| ⑦裁判・差し押さえ | 最終手段 | 少額訴訟→確定判決→給与・口座の差し押さえ |
①の段階で連絡を入れれば、分割交渉や減額交渉の余地があります。放置して④以降に進むと、条件が厳しくなり解決が困難になります。
「払わない」と「交渉する」は全く違う
退去費用に納得がいかない場合、「払わない」のではなく「交渉する」ことが重要です。
「払わない」(放置):管理会社からの連絡を無視する。何のアクションも取らない。→上記の①〜⑦の流れを辿る。
「交渉する」:「この金額について確認したい点があります」とメールで伝え、ガイドラインに基づいて適正額を求める。→交渉中は支払いを保留しても問題ない。
メール1通送るだけでも、放置とは決定的に違います。「払う意思はありますが、金額の根拠を確認したい」と伝えておけば、①の段階で止まります。
保証会社が介入するとどうなるか
管理会社への支払いが2〜3ヶ月遅れると、保証会社が代位弁済(立替払い)します。以降、交渉相手は保証会社に変わります。
保証会社介入後の変化:
- 交渉相手が管理会社→保証会社に変わる(保証会社の方がシビア)
- 遅延損害金(年14.6%程度)が加算される
- 分割交渉の条件が厳しくなる
- 信用情報に記録される可能性が高まる
保証会社の介入前に解決するのがベストです。
連帯保証人に迷惑がかかるタイミング
契約時に連帯保証人を立てている場合、本人が支払いに応じないと連帯保証人に請求が行きます。連帯保証人には「先に本人に請求してくれ」と拒否する権利がないため(催告の抗弁権なし)、管理会社から直接請求されます。
連帯保証人に迷惑をかけないためにも、放置せず早い段階で交渉してください。
信用情報に記録されるとどうなるか
保証会社が信用情報機関(CIC、JICC等)に事故情報を登録すると、以下の影響があります。
- クレジットカードの審査が通らなくなる
- 住宅ローンの審査が通らなくなる
- 携帯電話の分割払い審査に落ちる可能性
- 次の賃貸契約で保証会社の審査に落ちる可能性
事故情報は完済後5年間残ります。退去費用の未払いが将来の生活に大きな影響を与えるリスクがあります。
正しい対処法
退去費用に納得がいかない場合の正しい対処法です。
①まず連絡する。「金額について確認したい点があります」とメール1通送るだけで十分です。
②ガイドラインに基づいて減額交渉する。見積書の内訳を払わなくていいもの一覧と照合し、不当な項目を指摘してください。退去費用に納得いかない時の5ステップで具体的な手順を解説しています。
③適正額でも払えない場合は分割交渉する。退去費用の分割払いで交渉方法を解説しています。
④どうしても解決しない場合は消費者センター(188)に相談する。
筆者の実例
筆者は710,300円を「払わなかった」のではなく「交渉した」結果、148,750円で合意しました。合意した金額は期日通りに振り込みました。「払うべきものは払う、払う根拠がないものは払わない」。この線引きが全てです。
よくある質問
Q. 退去費用を払わないと信用情報に影響する?
保証会社が代位弁済した後に長期延滞すると、信用情報に記録される可能性があります。管理会社との直接のやり取りの段階では通常影響しません。
Q. 退去費用を全額拒否できる?
借主に過失がなく、特約もなければ理論上は0円が可能です。ただし、ほとんどの契約にはクリーニング特約があるため、完全な拒否は現実的ではありません。妥当な部分は払い、不当な部分を交渉で削除するのが最善の戦略です。
Q. 退去費用の時効はある?
退去費用の請求権は退去から5年で時効です(民法166条)。ただし、管理会社が請求書を1通でも送っていれば時効は中断(更新)されます。
Q. 裁判になったら負ける?
ガイドラインに反する請求であれば、裁判所は借主側の主張を認める傾向が強いです。むしろ裁判になった方が適正な判断が下される可能性があります。
まとめ
退去費用を払わないと、督促→連帯保証人への請求→代位弁済→信用情報への記録→裁判と段階的に悪化します。納得がいかない場合は「払わない」のではなく「交渉する」こと。メール1通で状況は大きく変わります。放置だけは絶対に避けてください。
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筆者の実例
筆者は3LDKに6年間居住し、退去時に710,300円を請求。ガイドラインと民法621条で交渉した結果、148,750円まで減額。561,550円(79%)の削減。弁護士なし。
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参考:国土交通省ガイドライン|無料相談:消費者ホットライン 188|不動産適正取引推進機構